原題 엄마 찾아 삼만리 英題 Good-bye
監督・シナリオ キム・ジョングァン/出演 キム・ドンヨン、チョン・デフン
撮影 イ・ヒョンドク/照明 カン・デヒ、イ・ソニョン/編集 パク・インスク/音楽 キム・テソン/日本ロケ協力 安藤大佑


 ノートパンコン詐欺でお金を貯める高校生ジョンファンとその友人ヨンス。ジョンファンは日本へ行ってしまった母親に会いに行くための旅費を稼いでいるのだ。学校生活に疲れたジョンファンにとって、ソウルは不毛の地。ただ母親がいるというだけで、日本という国がジョンファンには理想郷に感じられる。しかし、それは悲しい理想郷でしかなかった。二人の少年の成長の痛みが胸にしみる。


キム・ジョングァン 김종관
 1975年、大田生まれ。ソウル芸大映画科卒。2000年から短編映画の製作に着手。以来、『Wounded..』(2002)、『愛する少女 Tell her I love her』(2002)、『ポラロイドカメラの使い方 How to operate Polaroid camera』(2004)、『楽園 SLOWLY』(2005)など、監督した短編作品は、釜山アジア短編映画祭、全州国際映画祭、富川国際ファンタスティック映画祭、CJアジア・インディ映画祭、ミジャンセン短編映画祭など、韓国内のありとあらゆる映画祭の短編部門に招待されている。特に、『ポラロイドカメラの使い方』(日本でも、シネフィル・イマジカで放映)は、数多くの受賞歴を誇り、個人の感情の一瞬を切り取るその作風は、韓国短編映画界のほかの作家にも大きな影響を与えた。2007年には、長編デビュー予定作『少年 THE BOY(仮題)』が、第36回ロッテルダム国際映画祭のシネマートで公式プロジェクトとして選定され、新作の短編『モノローグ#1』も同映画祭の短編コンペ部門でワールドプレミア上映された。

キム・ドンヨン 김동영
 1988年生まれ。小学校3年生の時に母親の勧めで演技学校に2年間通う。1999年にイ・ビョンホン主演の『我が心のオルガン』に出演して以来、『マルチュク青春通り』(2004)、『風の伝説』(2004)、『春が来れば』(2004)、『愛してる、マルスンさん』(2005)、『愛を逃す』(2006)、『チ・ジニ×ムン・ソリ 女教授』(2006)、『家族の誕生』(2006)、『相棒 −シティ・オブ・バイオレンス−』(2006)と着実にキャリアを積んでいる。特に、『春が来れば』では、炭鉱労働者の父親の反対で吹奏楽部の練習に出られなくなるヨンソクを好演。見る者に大きな印象を残した。また、『愛してる、マルスンさん』では、『春が来れば』に続いて名子役イ・ジェウン(『ぼくらの落第先生』『大統領の理髪師』など)と再共演。同じく『愛してる、マルスンさん』で共演したムン・ソリをして「演技がうまい! 本当にうまい!!」と言わしめた。本作では母親が日本に行ってしまい非行に走る少年ジョンファンを演じているが、キム・ドンヨン自身、光州の親戚の家で幼少期を過ごし、小学校1年生のときにソウルに上京するも、そこで会った母親に「父親はアメリカに行った(実際には離婚していた)」と告げられた経験を持つ。
※ 『愛してる、マルスンさん』(パク・フンシク監督)はシネマコリア2006で上映。

チョン・デフン 정대훈
 『パイラン』(2001)、『バス、停留場』(2002)、『ムッチマ・ファミリー』(2002)に端役出演。2002年の大ヒット作『夢精期』では、「性」に興味いっぱいの中学生四人組のうちの一人を演じ、映画ファンの間でも顔を知られるようになる。2004年には『ブラザーフッド』と『僕の彼女を紹介します』に出演。2005年には『トンマッコルへようこそ』の導入部で、足を怪我した幼い人民軍役を演じ、印象的な演技を披露した。そのほかの出演作は『放課後の屋上』(2006)、『三日月と夜船』(2005)など。短編映画への出演も多数。