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密愛


画像提供:東京国際映画祭組織委員会事務局


題名
英題
ハングル
密愛
Ardor
밀애
製作年 2002
時間 110(釜山映画祭版)
114(日本公開版)
112(日本Video版)
製作
配給
良い映画
シネマ・サービス
監督 ビョン・ヨンジュ
出演 キム・ユンジン
イ・ジョンウォン
ケ・ソンヨン
日本版
Video
DVD
字幕版Video
吹替版Video
DVD

 『ナヌムの家』シリーズで知られる韓国ドキュメンタリー界の旗手ビョン・ヨンジュの長編劇映画デビュー作。女流作家チョン・ギョンニンの1999年のベストセラー小説『私の生涯でたった一日だけの特別な日(내 생에 꼭 하루뿐인 특별한 날 )』を映画化。既存のメロドラマとは違い、人間の激情的な感性を写し取った「激情メロドラマ」。夫に浮気された主婦の不倫を通じて女性の「生」を描く。ちなみに、監督は東京国際映画祭のティーチ・インにて「不倫や韓国社会を描くのではなく、平凡な女性の熱情が世間を突き動かしていく様を表現したかった」と発言している。

 ミフン(キム・ユンジン)は30歳の平凡な専業主婦。自分は幸せな結婚生活を送っているとばかり思っていたが、ある日、夫ヒョギョン(ケ・ソンヨン)が浮気をしていたことが分かり、大変なショックを受ける。夫妻は田舎へ引っ越し、何事もなかったかのように過ごすが、二人の仲は回復せず、ミフンは倦怠感に包まれた毎日を送っていた。そんなミフンの隣の家に住むインギュ(イ・ジョンウォン)は、近くの湖畔で釣りを楽しみ、暇なときには女と会ってセックスを楽しむ田舎病院の医師。彼は、ミフンに、肉体関係は持っても相手のことを愛してはいけない、「愛してる」と言ったほうが負け、というゲームを提案。そんな彼との危険な、しかし魅惑的な付き合いの中で、ミフンは徐々に「生」を取り戻していく。

 夫の不倫により、自らの内面に隠された欲望や感性を知ることになる平凡な30歳の主婦ミフンは、『シュリ』『燃ゆる月』、そして日本映画『RUSH!』(2001)に主演したキム・ユンジンが演じる。彼女は本作で初のベッドシーンにも挑戦。男性主人公インギュは人気タレント、イ・ジョンウォンがキャスティングされた。彼は『契約カップル』以来のスクリーン復帰となる。

 ビョン・ヨンジュのドキュメンタリストならではの演出が、女優キム・ユンジンの新しい境地を引き出すかいなかが注目されている。ちなみにビョン監督は撮影中もカメラの横に立って自分の目で見ながら演出をし、モニタは最終確認用にしか使わなかったという。そして、俳優に登場人物のキャラクターを演じさせるのではなく、俳優の実際の姿の中にミフンやインギュの姿をとらえようとしたという。

 撮影監督は、1972年ソウル生まれで、1996年にポーランドのウッジ国立映画学校を卒業したクォン・ヒョッチュン。彼は、『フラワー・アイランド』のソン・イルゴン監督の短編『肝とジャガイモ』(1998)の撮影を担当し、ドグマ・ライクな映像が話題となったアート・ムーヴィー『バタフライ』で商業長編映画の撮影監督としてデビューした人物。ちなみに、ソン・イルゴンも、『バタフライ』の監督ムン・スンウクもポーランド留学組み。本作の撮影スタッフはクォン撮影監督の友人であるポーランド人5人が担当した。

 原作小説を、キム・ジェヨンとビョン・ヨンジュが脚色し、シナリオを執筆。製作はキム・ミヒ。これまで記録映画製作所ポイムでビョン・ヨンジュと活動を共にしてきたシン・ヘウンがプロデューサーを担当。音楽はチョ・ヨンウク。美術はイ・グナ。

 ロケ地は慶尚南道の「南海」。

 韓国では劇場にかける予告編に収められた情事シーンが、審議過程で一部削除され話題となった。

 日本では、原作小説『密愛 私の生涯でたった一日だけの特別な日』(チョン・ギョンニン著/金暎姫訳)が竹書房より出版されている。また、ビョン・ヨンジュ監督の著書『アジアで女性として生きるということ 韓国女性映画監督●ビョン・ヨンジュの世界』(最新インタビュー付)が家族社より翻訳出版されている。

 第15回(2002)東京国際映画祭アジアの風部門、第53回(2003)ベルリン国際映画祭フォーラム部門、2003年フランダース国際映画祭、第7回(2002)釜山国際映画祭新しい波部門、第27回(2003)香港国際映画祭新人監督コンペ部門(ヤング・シネマ・ファイアーバード賞部門)、第5回(2003)ソウル女性映画祭「新しい波」部門、あいち国際女性映画祭2003、台湾2003女性映画祭招待作品。

 東京国際映画祭でワールド・プレミア上映された後、韓国内で公開された。

 第7回(2002)女性観客映画賞「最高の韓国映画」賞・「最高の女子俳優」賞(キム・ユンジン)、第23回(2002)青龍賞主演女優賞(キム・ユンジン)受賞作品。

初版:2002/10/3
最新版:2002/11/3


■ 『密愛』 ビョン・ヨンジュ監督インタビュー

 『密愛』のプロモーションで来日されたビョン・ヨンジュ監督のインタビューはこちら



投稿者:カツヲうどんさん 投稿日:2002/11/26 12:04:07

 この映画の監督を担当したビョン・ヨンジュは、『ナヌムの家』など、ドキュメンタリー作家として日本ではよく知られている。

 本作品は完全な劇映画だが、この作品も又、ビョン監督のドキュメンタリストとしての視点が脈々と画面に流れ、自らカメラを持って走り回っていた経験が、人物や風景の切取り方に如実に反映している。

 出だしこそ、まるでホラー映画だが、ビョン監督はあくまでも、ごく普通の日常、ごく普通の風景、そして韓国の持つ伝統的な風土をとらえる事に力を注ぎ、素晴らしい映像を生み出した。特にヒロイン、ミフン(キム・ユンジン)が立ち寄る廃屋の風景は、アンドレイ・タルコフスキイ監督の『ストーカー』の一場面のようで、芸術的な空間作りに成功している。こういった地味だが、さりげない美しさが全編に満ちあふれ、他の韓国映画ではおざなりにされがちな部分が、きちんと力を入れて作られている作品である。

 クォン・ヒョッチュンが担当した撮影は、完全に旧東欧のスタイルだが、グリーンを基調にした絞りを抑えた映像は、見事、韓国の情景を描き出している。撮影チームはポーランド人スタッフが複数参加しており、実質、韓国&ポーランド・チームの共同担当と表現した方が正確だろう。今回は大成功である。


画像提供:リベロ

 ミフン役のキム・ユンジンは、かなり熱を注いで役作りに取り組んだようだ。「田舎で孤立する都会の人間」というイメージには、よく合っている。不倫相手の医師インギュ役のイ・ジョンウォンは、静かで力強い演技を見せる。彼は日本では全く顔なじみのない俳優だが、どこか達観していて世捨て人的な役柄をクールに表現している。ミフンの夫を演じたケ・ソンヨン(『血も涙もなく』『THE KISEI 寄生』)も地味な俳優だが、いい味を出しており、今後の活躍が期待できそうだ。

 ビョン監督の演出は繊細かつ格調高く、既に名匠の風格さえ漂わせる。ミフンとインギュの不倫が発覚するシーンや、二人の愛の結末に至る一連のシーンなど、下手な作家指向の連中には、絶対撮れないだろう名シーンの連続だ。

 ただ、本作品の欠点を挙げるとすれば、あくまでもアート系の映画であり、娯楽作としての顔を両立させられなかった事である。ヨーロッパ映画が好きな人には良い作品だが、最大公約数の観客を考えると、「退屈」と評されても仕方ない出来でもある。その結果、最後の最後まで鑑賞に我慢出来た人だけが感動を得られる、良くも悪くも観る人を選ぶ映画となったようだ。

【評価:★★★】



【鑑賞ノオト】 Text by 月原万貴子(月子) 2003/11/14

 学生時代からの恋人と卒業後すぐに結婚、専業主婦となり、可愛い娘にも恵まれたミフン(キム・ユンジン)は、自分の事を「平凡だけれど幸せな女」だと信じていた。しかし、クリスマスの夜、家族団らんの場へ乱入してきた若い娘は、夫ヒョギョン(ケ・ソンヨン)を甘えた声で「オッパ」と呼び、「オッパが本当に愛しているのは私なのに、あなたが邪魔をしている」とミフンにつかみかかる。もみ合いになったはずみに頭部を強打したミフンは、そのまま意識を失った・・・

 半年後、すべてを水に流し一からやりなおすため、一家は郊外へと引っ越すが、夫婦の関係は修復せず、ミフンは笑顔を見せない女になっていた。そんなある日、事件以来、激しい頭痛に悩まされていたミフンは、鎮痛剤を求めて、近所に住む開業医インギュ(イ・ジョンウォン)を訪れる。ミフンの倦怠感を見抜いたインギュはひとつのゲームを提案する。「夏までの数ヶ月間を恋人として過ごさないか? 但し、求めるのは肉体だけ。どちらかが『愛してる』と口にしたらゲームは終わり。それっきりもう会わない」と。


画像提供:リベロ

 思いもよらなかった夫の裏切りに、心にぽっかりと大きな穴が空いてしまったミフンは、インギュとの情事を重ねるうちに、空ろだった目に光が、青ざめていた頬に血の気が蘇り、徐々に生気を取り戻していく。カラダの空虚さが埋まる事で、心も蘇っていく女の性(さが)のようなものを、体当たりで表現したキム・ユンジンが素晴らしい。決してグラマーとは言えないものの贅肉のない引き締まった裸体から匂い立つ女の香りの濃厚なこと! 今まで「頭が良すぎる分、色気が足りない女優」だなんて偏見を持っていてごめんなさい、と謝りたくなったほどだ。中でもラブホテルの窓辺に佇む全裸の後姿は、ため息が出るほど美しかった。

 ただ、そんな彼女と文字通り「がっぷり四つに組んだ」(下品ですみません)イ・ジョンウォンは、ハンサムだし体もがっちりと鍛えられているのに、どうにも体育会系の健全さが見えてしまって、いまいち色っぽくなかったのが残念だった。やはり、この手の役にはもっとだるっとした不健康さが必要だと思う。

 『ナヌムの家』など社会派ドキュメンタリー作家として知られるビョン・ヨンジュ監督の長編劇映画第一作。夫に幸せにしてもらおうとしか考えていなかった受身の女が、不倫を体験することで、辛くとも自分で生きていく力を身に付けていくさまをじっくりと描き出し、下手をすればありがちなメロドラマになりかねない題材を、格調高い女の自立物語に仕上げることに成功している。

【評価:★★★】



『密愛』感想集
監督サイン入りプレスシート・プレゼントより
  • 韓国で一足早くみました。とてもよく、映像もきれいでいい内容でした。

  • 韓国映画は語学学習の一環として(?)何でも見ています。『密愛』は札幌でも上映するので楽しみです。もっと、たくさん韓国映画を見たいです。

  • 劇場で見てきたばかりです。最初はエッチな映画だから見に行くのが恥ずかしいなぁ・・・と、躊躇もあったのですが、見て正解でした。最後は悲しい結末にもかかわらず、ミフンの姿に元気づけられて劇場を後にしました。凄い不思議な気がしたんですが、「女性が女性のために作った映画」だと知って納得しました。ビョン・ヨンジュ監督の他の作品も見てみたくなりました。いい映画、見せてもらいました。

  • 見ている最中からいい映画だなぁ・・・と思っていました。作りがうまいです。女の感情が本当によくでていました。引き込まれました。実は、この映画、期待してませんでした。期待していなかったから、期待以上というのはおかしいですが、見たかった映画にあえた気分になりました。演出も良かったけど女優がうまいのでしょうか。思い出したくない事実、退屈な毎日、旦那の優しさが受け止められなくなっている・・・ 何もかもウンザリ、自己嫌悪。そんな彼女が不倫をし、そのときの誰もが感じるであろう恋する感情やら行動やら複雑な感情がうまく表現されているので、見ているこちらも感情移入する部分もありました。後半から最後はどうなるのか気になってきましたが、それも前半につりあう内容であり、最後に出てきた言葉。「活力は不幸から生まれる・・・」には感動をし、少し心が痛む映画だった。

  • キム・ユンジンの後姿はとても綺麗でした。それに、華のない感じがとてもよく表現できてたと思います。やっぱりキム・ユンジンっていいですね。

  • 二人が切なくて・・・ 良い想い出を胸に逝ってしまった人を思って一生生きて行くのは哀しいです。

  • 女性監督の映画で、性的な問題を扱っている映画というと、ジェーン・カンピオン監督の『ピアノ・レッスン』が思い浮かぶのですが、ジェーン・カンピオンの作品も韓国映画も好きな私としては、『密愛』のビョン・ヨンジュ監督がどのように女性心理を描いているのか楽しみです。今週見に行く予定なのでまだ感想は書けませんが、公式サイトのキム・ユンジンが美しいですね。

  • とても素敵な作品でしたが、男一人で鑑賞するには少し恥ずかったです(笑)。出来れば女性と二人連れで鑑賞したかったです。

  • ラストの写真館でのキム・ユンジンの顔がとても、印象的です。

  • 二回も映画館に行きました。今までに映画で二回も観に行く事なんて無かったのに、この映画は何回も観たい映画でした。あの先のストーリーも気になりますし。娘のスジンがどうなったのかも気になってます。

  • キム・ユンジンさんの役は、けだるさが全面的に出ていましたが、私も生活の全てに対して脱力していた時があったので、人ごとは思えない部分がありました。境遇によって、顔が変わることが伝わる話でした。


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