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バス、停留場


題名
英題
 
ハングル
バス、停留場
L'abri
Lover's Refugee
버스, 정류장
製作年 2002
時間 90
製作
提供
共同提供
 
 
ミョン・フィルム
CJエンターテインメント
イス創業投資
IMM創業投資
Entersdaq
監督 イ・ミヨン
出演 キム・テウ
キム・ミンジョン
イ・デヨン
チェ・バニャ
キム・エリョン
ハン・ゴンジュ
日本版
Video
DVD
なし

 17歳の少女と32歳の男、心に傷を持つ者同士のラブ・ストーリー。題材はセンセーショナルだが、実際の映画は淡々とした純愛物で、温かい印象すら受ける。シネマスコープ作品。

 ジェソプ(キム・テウ)は32歳の塾講師。塾では国語を教えているが、人付き合いが苦手で、閉鎖的な生活を送っている。あるとき、昔愛していた大学の同級生ヘギョン(キム・エリョン)が結婚するという話を聞き、同期の集まりに行くが、どうにもうまく付き合えない。彼が唯一心をさらけ出せるのは、彼が「ヘギョン」と名付けた売春婦(チェ・バニャ)だけだ。そんなある日、ソヒ(キム・ミンジョン)という高校一年生が塾に入ってくる。どこか他の子供達とは違うソヒ。ジェソプは彼女に好感を持つが、街で彼女と中年男(イ・デヨン)がただ事ならない雰囲気でいるのを目撃してしまう。家庭もよく優等生なのに、生きていく理由を見つけられない不幸な少女。そんなソヒもまた、ジェソプに好意を抱いていた。近所に住んでいた二人は、電車の駅やバス停で出会い、次第に親しくなっていく。ある時、ジェソプとソヒは、本当のことを一つだけ入れて話をする「嘘ゲーム」を始める。ソヒは言うのだった。「私のお父さんは、賄賂を受け取っている公務員、お母さんは水泳の講師と浮気中、友人のミジョン(ハン・ゴンジュ)は成績を気にして自殺。私は援助交際しているの・・・」。

 『JSA』イ・ビョンホンの同僚を演じていたキム・テウが、11kg減量してジェソプ役に挑戦。若くして、世の中の不条理をすべて知り尽くしてしまった女子高校生スヒを演じるのは、1982年7月生まれの新進女優キム・ミンジョン。彼女は、1988年にテレビ・ドラマのベスト劇場『未亡人』で子役デビューし、11歳の時にキッズ・ムーヴィー『キッド・カップ』(1993)に出演している子役出身女優。『チャン・ノクス』、『思春期』、『Bad Friends(原題:悪友)』、『KAIST』、『ちょっとやそっとじゃ彼らを防げない』などのテレビ・ドラマにも出演している。現在は、漢陽大学演劇映画科に通う学生だが、この映画の主演が決まってからは大学を休学して演技に集中したという。

 本作でデビューするイ・ミヨンは、1963年生まれの女性監督。同徳女子大学国語国文学科を卒業し、1980年代後半は劇団で演技指導や助演出をしていた。1991年から1994年まではフランスに留学し、私立映画学校のESECで映画の勉強をする。帰国後は、『グリーンフィッシュ』のスクリプターとして映画界入りし、その後、『クワイエット・ファミリー』『反則王』のプロデューサーを担当。ちなみに、彼女はミョン・フィルムのシム・ジェミョン代表とは同徳女子大学国文学科同期の間柄である。

 製作はシム・ジェミョン。2000年下半期の映画振興委員会劇映画シナリオ公募で優秀作に当選した、イ・ジェチャンの脚本を映画化。イ・ジェチャンは1974年生まれの新進シナリオ・ライターで、これが初の長編シナリオ。撮影はパク・キウン。照明はイム・ジェヨン。音楽は、1998年に第一集『Drifting』を発表してデビューしたルシード・フォール("Lucid fall",公式サイトはこちら)。美術はイ・ヒョンジュ、チョ・グニョン、オ・サンマン。編集はキム・サンボム。

 主役の二人がいわゆるビッグ・ネームではないため、封切り前に多彩な宣伝戦略が展開された。例えば、映画の公開前には、「バス停」をコンセプトにしたコンセプト・ブックを出版。若い女性がターゲットのこの本には、小説家のシン・ギョンスク、映画監督のチョン・ジウキム・ジウン、漫画家のイ・ウイル、ミョン・フィルムのシム・ジェミョン代表、そして本作で主演するキム・テウとキム・ミンジョン等22名の文化人が寄稿している。また、ルシード・フォールのミュージックビデオとサントラも公開に先立って発売され、好評を博した。そして、劇中で実際に使用されている東西食品の缶コーヒーに、映画のポスターと同じ図柄を印刷した商品を売り出したことも話題に。

 コリアン・シネマ・ウィーク2005上映作品。

初版:2002/3/11
最新版:2002/5/4



投稿者:カツヲうどんさん 投稿日:2002/3/19 22:49:24

 韓国映画の中では、あまりお目にかかれない、なんともいえない独特な雰囲気と、けだるいリズムを持つ作品。

 類似する作家をあえて挙げるとすれば、台湾のツァイ・ミンリャン監督に近いが、残念ながら、ミンリャン監督と肩を並べるレベルまでは、とても達していない。作りは非常に丁寧で繊細だが、新人監督にありがちな「雰囲気は独特なんだけど・・・」で終わってしまっている。

 主人公のジェソプを演じるキム・テウは、私自身、一度日本の作品に出てもらいたいと思っている俳優の一人ではある。しかし、この作品では気だるく無気力な主人公の内面を魅力的に演じているとはいえない。

 ヒロイン、ソヒ役のキム・ミンジョンは、昔の斉藤由貴を連想させるが、小悪魔的かつ不安定で微妙な役を演じきるには、少し本人が固すぎたようだ。また、他の女の子たちが、いかにも垢ぬけない普通の女子高生を好演していたのに比べ、彼女はそういう普通っぽい雰囲気が全くないためか、妙に浮いてしまっている。確かに彼女は象徴的かつ特別な役柄なのだろうけれど、どこかに一瞬でも、ハイティーンの輝きを見せることが出来ていれば、もっと記憶に残ったに違いない。

 ただし、ラストは名シーンだ。ほんのわずかな短いカットだが、ジェソプに寄りかかるソヒの姿・・・ 二人の構図は、実に美しく印象的であった。

 さて、韓国映画において、この作品のように、女性監督のデビューが最近増えてきているが、あまりにも作家志向のためか、はたまた周囲の支援体制に恵まれないためか、一本撮っても後がなかなか続かない場合が多いようだ。実はこれは韓国映画界にとって非常に残念なことで、なぜなら韓国映画において、男性の弱さや繊細さを描けるのは、時には女性監督のほうが、男性監督よりも上手く思えるからだ。

 男はあくまでマッチョで逞しく、勇敢で男気いっぱい、哀しいことがあっても「男はつらいよ、男は背中で泣くんだぜ」的な描写ばかりが、くり返えされがちな韓国映画の中では、こうした「男の弱々しさ&女々しさ」を描けるのは、女性監督の長所だと思うのだが・・・

 ちなみに、サントラは映画の雰囲気をよく伝えており、お勧めである。好きな人にとってはハマる個性的な映画だ。

【評価:★★】


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